インサイト記事 - FATF 報告書は日本の金融機関がAML 対策を強化する絶好の機会
金融活動作業部会(FATF)が先日発表した対日相互審査報告書(以下「報告書」)1 では、マ ネーロンダリングおよびテロ資金供与対策(AML/CFT)の基本概念に関して金融機関の理解が 大きく不足している点として、顧客管理措置(CDD)、実質的支配者(BO)の特定、取引モ ニタリングおよびスクリーニングなどが挙げられています。
具体的には、一部の金融機関で導入されている取引モニタリングシステムおよび取引スクリー ニングシステムがいまだに基本的なものでその効果が限定的である点や、顧客リスクに関して 多くの金融機関が顧客住所などの基本的情報しか収集しておらず、その情報も更新されていな いことが多い点などが指摘されています。